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『教えて森山総長』その6

中山:昔、カメラ毎日に載せたい、山岸さんに認められたいという思いでずっと写真を撮られてたとか?

森山:うん、横須賀撮りに行ってた時ね。

中山:それから、『よし、載せよう』となったんですか?

森山:『載せよう』じゃない、『載せてやろう』と(笑)。

中山:(笑)僕ら、あまりその当時の『カメラ毎日』を知らないんですけど…

森山:ああ、そりゃそうだろねぇ。

梅村:へぇ〜。
※梅村隆之氏:編集・企画 オフィス・ユービレッジ代表。
最近では、森山総長の近著であるエッセイ集「もうひとつの国へ」、写真集「Magazineworkにっぽん劇場」「Magazinework何かへの旅」の編集に携わる。


中山:そんなにやっぱり、(他雑誌とは)違ったんですか?雑誌として。
森山:そうだね。だってやっぱり、写真雑誌が一番ある意味で、ピカピカしてた時代だよね。発表の場でもあるしみたいなさ。だから、梅村さんが出してくれた本をちゃんと見なきゃダメだよ。

中山:すいません。勉強不足です。

中馬:僕はその両方とも、拝見させていただいたんですけど、やっぱり、色々な実験をされてるなと思いました。ポートレートも撮られてるし、風景も撮られてるし、そういう中から、なんか自分を探ってるていうのが、あの二冊を見て伝わってきたんですけど。

森山:そうだよね、まぁやっぱり、撮りながら探っていくっていうの?まずほら自分の鉱脈を見つけないといけないからさ。最初はね。

梅村:俺は森山さんの解説を読むと面白いんですよ。その時々に書いてる解説が。でさ、写真と一緒に解説書くじゃないですか、いろんな、その時々の想いを書いてるんですけど。まぁそれも一緒に出てますから。

中馬:なんか、文学的な書き方をされてたりとか?しっかりとは覚えてないんですけど、面白いなぁと。

梅村:解説が面白いとおもうな、僕は。写真と一緒に見ると。

中馬:カメラ毎日は、毎月出てた雑誌なんですよね?

梅村:雑誌自体は月刊ですよね、それに要するに森山さんが持ち込んだのもあるし、連載でやったのもあるってカタチですよね。

中馬:驚いたのは、ポートレート写真を結構撮られてたりしてて、今からだとちょっと想像できないのですが。サーカス団メンバー全員の人達を正面から撮られてて

中山:え?普通にポートレート写真?

中馬:ポートレートなんですけど、配置の仕方とかが凄く面白くて、ちょっとこう、缶バッチみたいなカタチでポートレートが並んでたりして、それが面白いのですが。

森山:ポートレートってどういうの?

梅村:あれですよ、サーカスじゃないですか。

森山:サーカス?サーカスの中の?

中馬:もう、みんな全員ポートレートを撮られてて、あれが凄く面白かったんですけど。

森山:あれはだってさ、一緒に運転してた男に、『全部撮っといて』て言ったんだよ。

中馬:え?そうなんですか!?ご自分では?

森山:撮ってない。

三人一同:へぇ!?

中山:そうなんですか?

梅村:そうなのぉ?あれ?

森山:うん。

梅村:それを入れただけ?ははは(一同笑)

森山:そうよ。丸くしてさ。

梅村:一緒に運転してたのだれ?

森山:いや、当時いて、一年ぐらいね。ちょうど『国道』とかやってる時期だから、よく運転してくれてる写真やりたい若い人がいて。

梅村:へぇ〜

森山:で一緒に行って、「俺は適当にスナップするから、君はとりあえず顔だけ撮っといて」って。

梅村:それで後で入れたってわけ?(笑)

森山:入れた。驚く?俺の写真じゃん。

中馬:凄いですね。

森山:いや、あんなもん、誰が撮ったって一緒だよ。

(『教えて森山総長』その7に続く)

更新日:2010年4月3日